実家を兄弟の共有名義にしても大丈夫?「半分ずつ」で決める前に知っておきたいこと
「親の実家は、兄弟で半分ずつ相続すれば公平ですよね?」
相続財産の中心が土地や建物の場合、このように考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。
共有名義にすることは、相続の分け方の一つです。ただし、持分を平等に分けても、その後の使い方や費用の負担まで自然に決まるわけではありません。
実家の名義を決める前に、確認しておきたいポイントをご紹介します。
「半分ずつ持つ」とは、どういうこと?
例えば、実家の土地と建物を兄と弟が2分の1ずつ相続した場合、それぞれが不動産全体について2分の1の権利を持つことになります。
「1階は兄のもの、2階は弟のもの」「庭の右半分は兄のもの」という意味ではありません。
そのため、誰が住むのか、空き家として管理するのか、将来売却するのかは、別に考える必要があります。
共有にする前に考えたい3つのこと
① 将来、売りたいときに意見が合うか
兄は「使わないので売りたい」、弟は「思い出があるので残したい」。
相続した当初は意見が一致していても、生活環境や経済状況の変化によって、考え方が変わることがあります。
共有不動産全体を通常の売買で売却するには、原則として共有者全員の合意が必要です。
なお、自分の共有持分だけを売ることと、実家全体を売ることは別の話です。持分だけの売却では、家族以外の人が共有者になる可能性もあります。
② 誰が管理し、費用を負担するか
実家を残す場合には、固定資産税のほか、修繕、草刈り、片付けなどの費用や手間がかかります。
「近くに住む兄が管理している」
「弟は遠方に住んでいて、実家を使っていない」
こうした状況では、お金の負担だけでなく、管理にかかる労力についても不公平感が生じることがあります。
共有にするなら、少なくとも次の点を話し合っておくとよいでしょう。
- 誰が住む、または管理するのか
- 税金や修繕費をどう分担するのか
- 大きな支出が必要なときにどう相談するのか
- いつ、どのような条件で売却を検討するのか
裁判所の案内でも、共有による遺産分割は、将来の管理や処分について意見が食い違う可能性に注意が必要とされています。
③ 次の相続が起きたらどうなるか
兄弟のどちらかが亡くなると、その人の持分が次の相続の対象になります。
その結果、当初は兄弟2人の共有だった実家が、配偶者や子どもなどを含む複数人の共有になることもあります。
「今の兄弟同士なら話せる」という安心感だけでなく、次の世代でも管理しやすい形かを考えておくことが大切です。
共有以外にも、実家の分け方はあります
相続人全員の合意などを前提に、次のような方法も考えられます。
1人が実家を取得し、ほかの人には預貯金を分ける
例えば、実家を引き継ぐ人と、預貯金を中心に取得する人に分ける方法です。
不動産だけを切り離さず、遺産全体を見ながら調整します。
1人が実家を取得し、ほかの人にお金を支払う
実家を取得する人が、ほかの相続人に代償金を支払う「代償分割」という方法です。
実家を残しながら取り分を調整できますが、取得する人が代償金を用意できるか、不動産をいくらと評価するかがポイントになります。
実家を売却し、売却代金を分ける
誰も住む予定がない場合などには、売却してお金で分ける「換価分割」も選択肢です。
売却費用や税金も踏まえ、分配の方法を整理しておく必要があります。
名義を決める前に、実家の「これから」を考えましょう
共有名義が、ご家族の希望に合う場合もあります。
ただ、「分け方が決まらないから、とりあえず半分ずつ」と決める前に、誰が使い、誰が管理し、将来どうするのかまで話し合っておくことをおすすめします。
相続登記は、これからの暮らしや財産管理にも関わる手続きです。
司法書士法人TKパートナーズでは、ご家族の状況やご希望を伺い、相続登記や遺産分割協議書の作成など、必要な手続きをご案内しています。
「実家を誰の名義にすればよいかわからない」
「共有にする前に、注意点を確認したい」
そのような段階から、お気軽にご相談ください。

司法書士法人TKパートナーズ代表司法書士。司法書士・土地家屋調査士・行政書士・宅地建物取引士・測量士などの資格を有し、相続・遺言、不動産登記、商業登記、各種契約書の作成など、幅広い法務手続きを取り扱っています。愛知県知多郡東浦町を拠点に、専門的な法務情報を分かりやすく発信しています。
